ユーザーやデータの増大への対応、老朽化したシステムの更新やデータセンターのスリム化、セキュリティやコンプライアンスの強化など、企業の情報基盤には解決しなければならない課題がいくつもある。ここでは多くの企業が抱えているであろう具体的な5つのケースを挙げ、クラウドサービスの導入に向けて進むべき方向を検討していく。今回は、「後編」として、企業の運営、成長に欠かせない、拡張性や法令への対応、そして天災や障害などへの対応について見ていこう。

TEXT:インサイトイメージ 川添貴生、インプレスジャパン 内田泰仁

 
ケース(3)必要な規模・機能だけ導入し、将来は拡張も考えたい

 企業の成長によって事業が拡大してくると、情報基盤を利用するユーザーや、情報基盤の上でやり取りされる情報の量が増加していく。また、業務の拡張や新規事業の開始などにより、情報基盤に求められる機能が増減することもあるだろう。ユーザー企業や管理者の決定に従い、サーバーを拡張強化できるオンプレミスサーバーの場合、投資は必要になるものの、規模拡張の自由度は高く、このことを重視する企業も多い。

 一方クラウドサービスの場合でも、規模や機能を拡大、増強していくことは可能だ。たとえば、システムに利用できるユーザーの人数を増やしたい場合は、インターネット上での取引で、その場ですぐに、必要な人数分だけ追加契約することが簡単にできる。また、サービスに含まれている機能のうち、自社が必要としているものだけどを利用することも可能なので、オンプレミスサーバーの環境からクラウドサービスに移行する際は、移行の負担や自社での使用頻度を考慮し、ひとまずはメール環境だけクラウドで利用し、事業の拡大やユーザーの増加などのタイミングを見計らいながら、従来のオンプレミスサーバーから順次クラウドサービスの機能へと切り替えていく、という段階的な移行も可能だ。

 段階的なクラウド導入を検討しているのなら、Office 365の単体機能の提供プランに注目したい。Office 365の全機能付きプランの最も安いプランは1ユーザーあたり月額600円または800円、Google Apps for Businessは600円となっているが、Office 365でメール機能だけ利用するということであれば、単体機能契約で月額200円というプランが用意されており、ぐっと低価格だ。また、Office 365で機能を単体契約した場合、あとからSharePoint OnlineやLync Onlineを追加したり、機能を増減するような契約プランを変更したりすることも可能だ

ポイント
規模の拡張はクラウドでももちろん可能
Office 365なら必要な機能だけを契約できる
 
ケース(4)セキュリティ、コンプライアンス対策を強化したい

 日本版SOX法の施行や企業や個人を狙ったインターネット犯罪の増加、天災や社会情勢からの影響など、情報基盤には、高いセキュリティが求められるようになっており、そのために必要なコンプライアンスへの対策も企業には求められている。

 わかりやすい例として、メール環境について考えてみよう。メールのセキュリティ保護や安全対策、コンプライアンス対策としては、(1)安全な送受信環境の用意、(2)迷惑メールの遮断、(3)法令に従ったアーカイブ、といった点が求められる。

 オンプレミスサーバーでメールを運用する場合、(1)と(2)の対策は非常に負荷が高く困難な課題であった。しかし、クラウドサービスにおいては、(1)と(2)はサービス事業者側が対策を講じる部分で、企業内のシステム管理者が運用面で重い負担を背負う必要はない。Google Apps for Business、Office 365のいずれも、ウイルスや迷惑メールに対して万全の対策を行っているため、導入企業側は安心してサービスを利用することが可能だ。

 また、(3)についても、両サービスともに、法令にのっとったアーカイビングが可能な機能が用意されており、必要に応じて利用することが可能だ。Google Apps for Businessのアーカイビング機能は、メール環境のセキュリティ機能であるPostiniの有料オプションとして提供され、追加費用は保存期間に応じて年間で1ユーザー25〜45米ドル(1年から最長10年)からとなっている。

 一方、Office 365の場合は、Exchange Online 単体契約のプラン2(800円)またはセットプランのプランE3(月額2120円)以上に容量と保存期間が無制限のアーカイビングが標準で含まれる。なお、Exchange Onlineのプラン2にはボイスメール機能が含まれ、Office 365 のプランE3にはOffice Professional Plusも含まれている。

ポイント
セキュリティ対策は両社とももちろん万全
アーカイブ機能はGoogle Appsはオプション、
Office 365は上位プランで標準搭載
 
ケース(5)天災や障害にも強くアクセス性に優れた環境を準備したい

 東日本大震災をはじめとする天災を経験した結果、多くの企業が「事業を止めることなく継続できる」「オフィスに出勤して来ることが困難でも仕事ができる」環境作りに取り組んでいる。ここで威力を発揮するのはもちろんクラウドサービスだ。

 クラウドサービスを比較する際には、サービスがいかに止まることなく稼働するかを保証する指標として「稼働率保障(SLA、Service Level Agreement)」という数値をチェックしておこう。SLAは、単なる努力目標ではなく、この数値を下回った場合には返金などの保障を行う、という厳しい基準値であるため、サービス事業者はこれを目標にサービスの管理・運営に全力を注ぐ。Google Apps for BusinessとOffice 365のSLAはいずれも99.9%としている。

 サービスが稼働し続けた上で、社員が社外で仕事を継続するのに必要なのは、サービスへの高いアクセス性だ。クラウドサービスであるGoogle Apps for BusinessとOffice 365はいずれも、社内外の場所に縛られることなく、インターネットを介してサービスを利用できる、という点においては大きな違いはない。両者とも、Webブラウザーでサービスにアクセスすれば、メールを送受信したり、予定表を確認したり、共有している情報を利用したりできる。また、スマートフォンからの利用についても、Google Apps for Business、Office 365のいずれも対応している。天災や災害への備えだけでなく、フットワーク軽く業務が遂行できる環境作りのためにももちろん有効だ。

 差がある部分としては、Microsoft Officeで作成したドキュメントを利用するための機能が挙げられる。Google Apps for Business、Office 365ともに、クラウド上に保存してあるドキュメントを閲覧したり簡単な編集をしたりすることが可能だ。ただし、Officeドキュメントの表示再現性と編集時のデータ保持性はOffice 365のほうが高い。

Google Apps for BusinessやOffice 365は、インターネット接続とWebブラウザーがあれば、社内外を問わず同じ情報にアクセスして利用できる。
両サービスともにスマートフォンにも対応。いずれも、Android、iPhone/iPad、Windows Phoneから利用でき、セキュリティ対策機能も用意されている。
 
 
ポイント
Webブラウザーとインターネットが確保できれば
全機能が利用可能稼働率保障は
Google Apps、Office 365ともに99.9%

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