『Delphi 4プログラミングバイブル』発刊に寄せて(本文より抜粋)

 

 度重なるバージョンアップと積極的な新技術への対応により、現在のDelphiには膨大な機能が組み込まれている。マニュアルやオンラインヘルプは、これらの機能を網羅してはいるものの、杓子定規な解説になっている面は否めない。そこで、利用者のレベルや目的に合わせた解説書が求められる。

 原書の『Mastering Delphi』は、数あるDelphiの解説書の中でも広範囲にわたる機能を取り上げた良書として名高く、Delphi専門誌の賞を受賞したこともある。いわばDelphiを使うための「定番」と評価されている。日本でもDelphiの書籍は少なくないが、これほど包括的な内容を含むものは稀有である。本書で取り上げている内容は、開発環境の機能や拡張方法、コンポーネントの使い方やアプリケーションの設計、ActiveX/COMのサポートなど多岐にわたる。こうした機能を多彩なプログラムコードで紹介するだけでなく、仕様の「なぜ」という部分も丁寧に解説してくれている。とくに実用性をも考慮した解説は、Delphiの構造や利用法を理解する上で、おおいに役立つだろう。

 また、本書は、Delphiのコンポーネントを管理し、日本におけるDelphi開発者の支えになっているDelphian World(http://home1.infonia.ne.jp/~delphian/delphi/)やメーリングリストDelphi-ML(http://www.users.gr.jp/ml/delphi-ml.html)でも翻訳の要望の高かった書籍である。私自身、Delphiの長所を多くのユーザーの方に活用してもらうために翻訳を待ち望んでいた一人である。取り上げている内容が膨大であるため、本書の翻訳には多大な労力が必要だったと推察する。本書の刊行にかかわられたすべての方に、心より感謝する。

 本書は、知りたい機能に関する章を拾い読みしたり、サンプルプログラムを利用してもよいだろう。しかし、最初からすべての章をじっくり読めば、Delphiの基礎や一貫した設計などを理解できるだろう。これによって、自信をもってDelphiを使い続けられるだろう。

 

インプライズ株式会社 大野 元久


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